当店紹介


瀬戸内海に浮かぶ大崎下島の御手洗地区にある小さな時計店です。

江戸時代、潮待ちの港として栄えた御手洗地区の街並は、江戸・明治・大正・昭和初期といろいろな年代の歴史的建造物 が混在している珍しい地区で、1994年(平成6年)には、国から「重要伝統的建造物郡保存地区」 に選定されました。当店も大正時代の建物ですので、対象建造物になっております。
また、現在は "安芸灘とびしま海道" の開通により本州と地続きとなりましたので、遠方から多くの観光客の方にお越し いただけるようになりました。
美しい街並は、映画やドラマ、CMやアニメの舞台にも数多く登場しています。
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大正8年 撮影 江戸中期、御手洗に船が多く集まるようになってから、この地に来た先祖は米問屋をしていたそうですが、時代の流れとともに徐々に北前船の 中継地としての役割が縮小していく中で、業務の変更を余儀なくされました。食料品・薬・雑貨などに混じって、1858年(安政5年)頃に 時計の取り扱いを始めた、と言われております。時計を扱い始めた当初は、まだ日本での時計製造は本格的に始まっておらず、主には海外製 、特にアメリカ製を多く販売していたようです。
そのため当初は、『各国時計販売所 松浦商店』 という看板を掲げてスタートしています。
(のちに、『松浦時計店』(時期不明)→『新光時計店』(昭和初期)と改名)
この頃の時計は、非常に高価だったと言われます。現在より随分多かったとは言え、人口わずかなこの御手洗で、まだ日本に普及し始めたばか りの時計の販売を始めた、ということは、いかに当時のこの地に人が集まり、先進的で、繁栄していたか、という証拠にもなります。
今では「現存最古の時計店」と言われることもあります。
現在の店内には、100年ほど前の時計業界の勢いを感じさせる海外メーカー(タバン、ロンジン)の大変古い貴重なポスターをいくつか飾っ ております。
また、店内に鎮座する、もはや当店の顔と言ってもよい、アンソニア社(アメリカ・コネティカット州)製の全長2mに及ぶ大きな古時計も この時代に購入されたものと思われます。
この時計を買うのに小さな家を一軒売ったとか売らなかったとか・・・。
現在までに幾度かのメンテナンスを受けながら、現役で時を刻み続けています。

アンソニア 現在は、四代目:松浦 敬一を中心に、ひとつでも多くの時計が元気になるよう、対応させていただいております。
(もちろん修理だけでなく、看板にもあるように店頭での時計とメガネの販売も行っております)

よく「高級時計じゃないんですけど、大丈夫ですか?」という質問をされます。
当店は田舎の普通の時計屋です。当店で対応できるものであれば、どんな時計でも構いません。
腕時計・掛時計・懐中時計・置時計・目覚まし時計などなど・・・メーカーは問いません。
まずはお気軽にご相談ください。

家の奥で眠っている「思い出の時計」がございましたら、ぜひ一度ご相談ください。


   当店外観


当店外観

現在の建物は、1919年(大正8年)頃に建て替えられたものです。
建造当時はアルミサッシ部分がなく、オープンな状態でした。入口からよく見えるところに大きな 看板時計を設置し(当時は、時計を持っている人が少ないので、時計屋さんの時計を見て時間を確認していた)、道路沿いの明る い場所に作業スペースを設けるスタイルは、明治・大正頃の時計店の典型的な建物スタイルと言われています。


当店のシンボル的看板です。スモールセコンド付の懐中時計を模した木製で、ケースの赤色が記憶に残ります。以前よりセイコー さんの時計を多く扱っていたため、12時下には「SEIKO」のロゴも入っています。何度か台風で飛んでしまって、 ケースが破損したりしましたが、その都度修復して現在に至ります。(針は動きません)


当店入口横の看板です。現在は水色の縁取りですが、30年程前まではワインレッドのような色でした。こちらも急な突風 で倒れて破損したりしましたが、その都度修復して現在も使用しています。壊れやすい箇所もありますので、あまり触らない よう、よろしくお願い致します。(こちらも針は動きません)


メガネフレームの陳列棚です。現在の当店の建物は、大正8年頃の建造とのことですが、それ以前から使用していた陳列棚 のようです。ガラスのない下部は、表面に菱形の銅板が貼られていて、現在はなんとも言えない良い色になっています。


左側には、各種ルーペなど、大きなガラス部分は、腕時計と置時計を陳列しています。このガラスは、 当店が建てられた当時のもので、現在のように平らなガラスではなく、波打っていたり、気泡が入っていたりします。 下部の白いタイル部分も建造当時のままですが、数年前の高潮と地震で一部が崩れているところがあります。直したい のですが、なかなか合うタイルがなく、困っているところです。


時計の修理を行う、作業スペースです。よく 【外から見えるように】 作られていると誤解されてしまうのですが、建造当時 の大正時代は電気の供給が現在のように安定していなかったことや、自然光での作業が適していることから、南側の明るい この場所に作業スペースを設置しています。ここでの作業は精密作業が多いので、あまり近寄って見られると、手元が暗く なりますので、作業中はあまり近寄らないようご協力をお願い致します。